9月6日滋賀県庁北新館4階会議室にて開催され当会も参加しました。
概要は下記ビラの通りです。
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①障碍者の生きる権利・働く権利について---県知事部局
②特別支援教育について---県教委部局
以上、2部構成で当会該当は②の部局での参加。
【当会テーマに関して県側とのやり取り要旨】
我々専攻科滋賀の会からは立岡理事長、今野理事が参加し「学ぶ権利の保障(青年期の教育権保障について)」について県教育委員会へ要求。要望要旨は次の通り。
■養護学校(特別支援学校)高等部卒業後に(障碍者に対し)豊かな自分づくりを構築するための教育機関(専攻科)を県の責任において設置してください。
立岡理事長より県民74%の教育延長ニーズがある事、全国の教育機関創りの活動概況を説明/要望を改めて実施するも、県教委の結論は「検討の余地無し」という事でした。しかし、何故「検討の余地無し」なのか、および当会より「検討する阻害要因は何なのか?」という質問の対し、県教委からは「答えられない」という回答でした。
立岡理事長、ならびに司会進行の渡邉武大津福祉会理事からも「今後も継続検討のお願い」をして当テーマは終りました。
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△懇談会の様子。向かい列席は滋賀県障碍福祉課の方1名、滋賀県教育委員会の方々3名。
【全体テーマのご紹介・所感】
・当会の教育延長以外のテーマは重要な議題ばかりでしたのでご紹介します▼
◇障碍を持つ児童/生徒が通う養護学校(特別支援学校)における学ぶ権利の保障--教職員配置および施設整備
①盲学校・聾話学校専門性を考慮した教職員配置
※県教委からの返答--実施検討の余地無し
②児童/生徒の安全性確保のため、学ぶ権利の保障のために養護学校(特別支援学校)教職員増加
※県教委からの返答--実施検討の余地無し
③児童/生徒の体調管理・健康保持のため全教室のエアコン設置
※県教委からの返答--実施検討の余地無し
④スクールバス乗車短縮、満員状態運行の早急改善
※県教委からの返答--現状のままで必要充分、検討の余地一切無し
⑤児童/生徒数に見合った教室、教材、備品配備
※県教委からの返答--昨年度から検討しているが検討の余地無し。しかし、看護士に関しては時給相当額が@530円。滋賀県最低賃金を下回る状態の改善は検討の余地有り。PTA-親御さんが自腹で負担している実状は検討の余地あり。(実施・対応に関しては言及を求めるが県教委側は拒否)
⑥草津、北大津養護学校マンモス化の解消、大津市南部養護学校新設や分教室設置
※県教委からの返答--実施検討の余地無し
⑦国立滋賀医大付属病院小児科内に病弱養護学校中学部の新設、県障碍福祉課、各種福祉機関との連携に加え看護士増
※県教委からの返答--研究はするが、実施検討の余地無し
⑧寄宿舎指導員の72.4%が50代である事の改善/盲・聾話学校の指導員定数法通りに改善・野洲養護への寄宿舎指導員不在を改善
※県教委からの返答--実施検討の余地無し
当会テーマ以外の要求項目の方が、障碍児童/生徒の「いのち」に直接関わる重要な事象がありましたので、下記に所感を纏めさせていただきました。
上記①〜⑧の親御さん、職員さん等当事者からの涙ながらの要求提示に対し、ほぼ全て「実施検討の余地なし」という結論でした。
私も障碍を持つ娘の親として、福祉先進県として期待して滋賀の地に転居し滋賀県立草津養護学校に入学・卒業しましたが、2009年当時の滋賀県教委の対応品質レベルが全く改善しておらず逆に悪化している状態である事を確認できました。
しかし、関西他府県では上記③、④、⑦、⑧に関しての人間として「生命の危険にさらされている状態」を改善しているのを目の当たりにおりましたが、滋賀県県教委からの返答は前述の通り、生徒/児童(滋賀県民)の生命に関わる事でも改善の「実施検討の余地無し」という衝撃的な現実がここにありました。
県教委の方々もヒトの親であるのなら、肢体不自由で吸引も必要な且つ体温の調節も困難な現役高校生達も出席しておりましたが、何とか前向きの対応ができなくても懇談会であればそのご家族の状況も察する事だけでもして欲しかったのです。
私は滋賀県教育行政に失望した障碍者の親達とともに、この状態に屈せずあらゆる場面で訴えかけなければならないと考えております。
弱者は「泣き寝入りせよ」と言わんばかりの空気感満載の懇談会を通じ、強い憤りを感じるとともに障碍児童/生徒を守るべく戦わねばと改めて感じました!
また、県側の言葉より彼らの方針が垣間見えましたのでご紹介致します。
1)県の限られた予算を保持すべく養護学校(特別支援教育)の無駄を排除
2)県民との検討交渉は出来るだけ時間をかけ当該者の卒業を待つ(できれば予算措置はしない)
以上の県側の戦略的な方針が言及はなくても感じる事ができました。出席者の方々は同じ感覚を共有できていると思います。
この戦略が間違っているモノである事を切に願うばかりです。
来年、滋賀県で全国障害者問題研究会全国大会が開催され、3千人強の研究者、教職員、本人さん他関係者の方々が来県されます。私自信も声を聞きますが「福祉先進県・滋賀」を期待して来県する方々に恥ずかしくないよう迎えたいものです。(今野)